原子力とくらし
1967 年に御前崎市※が浜岡原子力発電所の
申し入れを受けてから50 年余り。
これまでに5号機まで
建設されています(1、2号機は解体作業中)。
その間、原子力発電所が立地されているまちに
支払われる国からの交付金を活用し、
市立図書館アスパルや市立御前崎総合病院をはじめ、
さまざまな公共施設の整備など豊かなまちづくりを
進めてきました。
あらためて原子力とくらしについて、
一緒に考えてみませんか?
そもそも、原子力発電って?
原子力発電のことってテレビでもよく話題になるよね。
御前崎市にも浜岡原子力発電所があるのは知っているだろう?
うん!でも、あまり詳しくはわからないかも…。
じゃあ、まず原子力発電のしくみから説明しよう。
原子力発電は、水を沸かしてできる蒸気でタービンを回して発電するんだ。これは火力発電と同じしくみなんだよ。違いは、水を沸かすときの燃料。火力発電は石油や石炭、天然ガスを燃やして水を沸かすけれど、原子力発電ではウラン燃料の核分裂で発生する熱を利用して水を沸かすことが大きな特徴なんだ。
ウラン、聞いたことはあるかも。
原子力発電の最大のメリットは、わずかな量の資源からたくさんの電気をつくることができることなんだ。
わずか小指の先ぐらいの大きさのウラン燃料1個で、家庭で使う電気の6~8か月分をつくることができるんだよ。
それに電気をつくるときに大量の二酸化炭素を放出する火力発電にくらべ、原子力発電は二酸化炭素を出さないから地球環境にやさしいんだ。
原子力発電が電気をつくるしくみ
浜岡原子力発電所の設備や安全対策、
原子力発電について
バーチャルツアーで学べるよ!
原子力とエネルギーミックス
それなら、全部原子力発電にすればいいんじゃない?
いや、ひとつの方法じゃなくて、色々な発電方法でつくることが大切なんだよ。
どうして?
原子力発電は安価で大量の発電ができ、二酸化炭素を出さないなどメリットは多いけれど、放射性物質の取り扱いをしているため、厳重な管理が必要なんだ。
一方で火力発電は燃料のほとんどを海外に頼っていることや発電時に二酸化炭素が発生してしまう問題があるんだよ。
太陽光発電や水力発電は?
うん、太陽光発電や水力発電は環境にやさしく、安全性も高い。
だけど、それだけではくらしに十分なだけの電力をつくることが難しいんだ。
じゃあ、どうすればいいの?
だから最も大切なのは、それぞれのエネルギーの特徴や強みを生かし、上手に組み合わせる「エネルギーミックス」の考え方なんだよ。
- 太陽光14~16%程度 水力11%程度 風力5%程度 地熱1%程度 バイオマス5%程度
(出典)日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの
今を知る10の質問」より作成
なるほど!お互いのいいところを生かして補い合うんだね。
原子力と「S+3E」
日本では、どんなエネルギーミックスに取り組んでいるの?
いい質問だね!
エネルギー資源を利用するうえで進めている国の基本計画が、「安全性(Safety)」を大前提に「安定供給確保(Energy Security)」「経済性(Economic Efficiency)」「環境保全(Environment)」それぞれの英語の頭文字をとった「S+3 E」という考え方なんだ。
つまり、エネルギー資源に乏しい日本には、現在、これらの要素をすべて満たしているエネルギーはない。
だからこそ、「S+3E」の達成のためには、複数のエネルギー源をバランスよく組み合わせて活用していくエネルギーミックスが必要なんだよ。
これだけでいい、という簡単な問題ではないんだね。
「S+3E」と「エネルギーミックス」は、原子力を考えるうえでも大切なキーワードだから覚えておこうね。
うん!
3つのEは、
お互いに影響し合う関係に
あります。3Eのどれかひとつでも
欠かすことなく調和させることが、
私たちのくらしに不可欠です。
御前崎市と原子力エネルギー