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エネルギーのこれからを
皆さんといっしょに考えるため、
御前崎市が取り組むエネルギーにまつわるさまざまな情報やイベントの実施レポートなどをお届けします。

エネくん

エネルギーに関する市の取り組みやイベントの様子など、
エネルギーのまち御前崎の「いま」を紹介するよ!

2024.03.01

2024.03.01

御前崎市の取り組み ~令和5年度エネルギーを考える市民フォーラムを開催しました~

令和6年2月17日佐倉地区センターにて、令和5年度 エネルギーを考える市民フォーラムを開催しました。
このフォーラムは、地球温暖化やエネルギー問題の現状を正しく理解するとともに、エネルギー問題への関心を高め、自分事として考えることを目的として開催し、14名の市民が参加しました。前半は、静岡大学の水谷洋一教授を講師に招き、「これからのエネルギーのあり方と御前崎市の可能性」についてのセミナーを行い、後半では、「エネルギーに関して将来どのような社会になればよいか?」について参加者間で話し合いました。参加者からは、
・再生可能エネルギーや原子力発電といった環境にやさしい方法でエネルギーをつくる
・大人も子供も学べるようなエネルギー教育を充実させる
などの意見が出てきて、エネルギー問題に関心を持っていただきました。

2024.02.02

2024.02.02

御前崎市エネルギービジョン推進協議会 水谷洋一 委員長にインタビューしました! 後編

【エネルギーを産み、そして賢く使う市民力がエネルギーのまち御前崎の魅力となるように】

御前崎市とのご縁は、御前崎市エネルギービジョン推進協議会の設立時にご相談をいただいた時からで、現在は協議会の委員長を拝命しています。
「御前崎市は新しいエネルギーのまち」になれると思います。
ただそのためには、自分たちのまちの特性を市民が理解する必要があります。
例えば、風力発電、バイオマス発電、太陽光発電などはヨーロッパでは主要なエネルギー源として利用されており、御前崎市もこれらの発電に優位性をもつ地域です。しかし、天気が安定しない地域や、海に面していない地域など優位性がない地域もあります。また御前崎市はエネルギー関係の交付金対象のまちであり、これは原子力発電所を有するからできることであり、他のまちに比して大きな強みです。
御前崎市は確かに風が強いですが、ただその風にお金は掛かりませんよね。日照時間も長く安定している。これもまちの長所ですし、大いに活用ができる上に無限で無料なのです。
「御前崎市ではこんなふうにエネルギーを作っている」そして「こうやってそのエネルギーを融通し、賢く使っている」そうしたエネルギーを上手に活用して暮らしていることが重要なのだと思います。それは、スマートグリッドにも通じるでしょう。インフラの整備やその使い方も、エネルギーを使うことに結びついていくと思います。
エネルギー産業のまちとしてだけではなく、エネルギーを上手に活用する生活文化を持ったまちとして全国の他の地域に発信できれば大きな反響があると思います。
日本政府は2050年には、現在(2023年)約27兆円にのぼっているエネルギー輸入にかかわるコストを4兆円にするといっています。そのためには、先ほど述べた化石燃料を使ったエネルギー産業は削減し、自国内で成り立つエネルギー産業がその代替えにならざるを得ません。御前崎市がエネルギーのまちとしての可能性を大いに持っていること、そしてそのエネルギーを賢く使えるまちになることは、日本の未来に大変重要な意義があることをぜひ理解していただきたいと思います。

インタビュー日時:令和5年10月30日 静岡大学にて

2024.02.02

2024.02.02

御前崎市エネルギービジョン推進協議会 水谷洋一 委員長にインタビューしました! 中編

【非化石系発電への取り組みを正しく理解することが、日本のエネルギー計画推進への課題】

我が国のこうしたエネルギー事情に対し日本政府は、「第6次エネルギー基本計画」(2020年10月制定)で、長期エネルギー需給方針を示しています。この方針では2030年までの目標として、再生可能エネルギーの電源構成比率を一番高く見込み、主力電源とすることを目指しています。次に比率が多いのが原子力発電となっており、この2つは非化石系のエネルギーとなっています。これに対して、二酸化炭素を多く出す石炭や天然ガスなどを使用した化石系エネルギーによる発電を現在の70%程度から40%程度まで下げる目標を掲げています。このように、化石系エネルギーによる発電を少なくする取り組みを進めると共に、その分を非化石系エネルギーで賄うように検討されています。
ただし、この基本計画では太陽光はこれまでの2倍、風力に至っては5倍というビジョンが示され、原子力発電のシェアも20%強と少し高めの設定が示されています。
これに対し、政策的には再生可能エネルギー電力の固定価格買取制度(FIT)などが進められていますが、近年、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電の増加に頭打ちの傾向がみられます。その背景には、急造のエネルギー施設や設備が多く、想定より住居に近かったり、土台や構造の簡素化で故障や破損が懸念されることから、立地地域の住民や自治体からの建設反対の声が強くなっていることがあります。
このような状況を踏まえ、今後再生可能エネルギー発電を推進するには、安心できる情報、そして該当地域の住民の懸念を払拭していくことが重要だと思います。
先入観というのはとても怖いもので、例えば焼却施設については、ダイオキシンなどにより「迷惑な施設」というイメージが、環境保全の技術が進んだ現在でも定着しています。太陽光発電や風力発電にもこうしたイメージがついてしまう可能性があります。太陽光発電や風力発電はどうしても大規模な施設になるため、立地場所は「立地コストが安く立てやすい場所に」ということになっています。この考え方では今後、再生可能エネルギー施設が普及していくスピードは遅くなると思います。こうした設置場所ありきの方法ではなくエネルギー計画に沿ってしっかり説明し、住民理解を進めることがこれからより重要であると感じています。

インタビュー日時:令和5年10月30日 静岡大学にて

2024.02.02

2024.02.02

御前崎市エネルギービジョン推進協議会 水谷洋一 委員長にインタビューしました! 前編

【化石燃料の輸入代金だけで年間16兆円、島国・日本の知られざる悪循環】

エネルギーに関する世界共通の課題は、二酸化炭素排出量の増加など地球環境の危機に加え、エネルギーの安定供給(あるいは安定調達)とそれら原材料の価格高騰です。
2011年3月11日の福島第一原発の事故を踏まえ、エネルギー産業の課題は、第一に安全性の確保、さらに安定調達、そしてそれに関わるコストの面であるといえるでしょう。
ご存じのように日本は海に囲まれた島国で、現在は石炭、石油や天然ガスなどを産出できないため、輸入に頼るしかありません。日本に比べヨーロッパの場合、外国からのエネルギー供給を受けるにしても比較的近くから、パイプラインなどで安定したエネルギー供給が受けられます。
日本の場合は、産出国から遠くはなれた島国であり、運搬にかかるコストや運搬中に排出されるCO2など環境にも影響を及ぼしています。自国で賄えないために他国に頼るしかなく、その輸入にかかるコストは国の試算で、2023年では27兆円にも上るというデータも公表されています。
ただこのような事実は、日本国内ではまだあまり知られていません。石炭や石油、天然ガスを海外に頼っているため、国内から多くの富が流出するという悪循環も引き起こしているのです。
そのため日本の国内で自給できるエネルギー産業の普及はこれからますます重要な課題であると言えるのです。

インタビュー日時:令和5年10月30日 静岡大学にて

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